明治大学
小宇宙=『心』に起因する問題を追究
文学部 心理社会学科 高良聖研究室
高良 聖(たから きよし)教授
専門は「臨床心理学」。臨床心理士として明治大学心理臨床センターや精神科クリニックで心に病を抱える患者さんへの心理療法も行っており、授業では、事例を提示したライブ感覚を大切にしている。日本集団精神療法学会常任理事、日本心理劇学会常任理事などを務める。著書に「雰囲気としての心理面接(日本評論社)」など。好きなもの、阪神タイガースとエビスビール。
不登校やいじめ、幼児虐待……。技術や情報の著しい進展によって、豊かで快適な暮らしを手に入れた反面、私たちは心に起因するさまざまな問題を抱え始めた。「この心の問題と人権問題や環境問題といった社会の問題を解明するのが、私が所属する『心理社会学科』なのです」
こう説明する高良聖教授の専門分野は心の問題を扱う「臨床心理学」。特に”心の外傷”=トラウマ・PTSD(心的外傷後ストレス障害)をどのようにケアすればよりスムーズに回復していくのか──。即興劇的な手法を使って患者さんの生活史を再現・再構成、今後の生き方に新しい気づきをもたらす集団心理療法「サイコドラマ」などを駆使し、アプローチしていく。
「その代表的なケースが幼児虐待。身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、面倒をみないネグレクトといった4つのパターンがありますが、いずれも世代を超えて代々継がれていくという特徴を持っていて、実に深刻です」
そのほかにも人に触れられない、満員電車に乗れないといった不安障害や「最近話題になっている2~3歳の早期幼児期から英語を習わせたり”お受験教育” を行うといった、超早期教育がもたらす子どもの心の問題なども取り上げ、その弊害を明らかにし対応法を模索していきます」
「心理学は実践の学問!」(高良教授)。学生たちは順番にカウンセラー役、患者役、傍観者役に分かれ、語っても差し支えない自分の小さな悩みを吐露しお互いにケアし合いながら、カウンセリング技能を習得し磨いていく。「さらにゼミになると私が関わっている精神科を訪問。いじめやリストカット、引きこもりといった現実のケースを取り上げ、精神医学的な側面からも分析していきます」。この分野に必要なのは「なによりも好奇心の強さ!」と強調する高良教授。興味を持つ高校生を待っている。
高良教授によると、人はみな多かれ少なかれ過去に心の痛みを体験しているもの。中にはふとしたきっかけで、その隠された痛みが日常生活を脅かす場合がある。それがトラウマ・PTSDだという。




