早稲田大学
骨格筋と腱のメカニズムを追究!
スポーツ科学学術院 スポーツ科学部・大学院スポーツ科学研究科 川上泰雄研究室
http://www.f.waseda.jp/ykawa/
川上 泰雄(かわかみ やすお)教授
専門は「バイオメカニクス」。身体運動のメカニズムをとくに骨格筋のはたらきの観点から調べている。研究室では30名近くの大学院生が日夜研究を進めている。
どのようなスポーツも練習をすると、上手になって記録が伸びることはよく知られている。では質問だ。その理由はいったい何なのだろうか?
「さまざまな要因がありますが、運動は骨に付いてこれを動かす筋肉=骨格筋と、その筋肉を骨に結合する腱が大きな要素を占めています。練習をするとこの筋腱複合体が鍛えられる……。結果として力強く素早く動けるようになり、記録が伸びると考えられています」
こう説明する川上泰雄教授の専門分野は、この筋腱複合体のメカニズムを追究する「バイオメカニクス」。超音波(エコー)やMRIなどの画像や筋電図などを用いて「生体の収縮中の筋腱複合体のダイナミックな動きを探り、運動に対し具体的にどのように関わっているのかを解き明かしていきます」
たとえばハンドボールの日本代表・宮﨑大輔選手。「彼は95cmもの垂直跳びの記録を持っていて、試合では2mをはるかに超える高所から猛スピードのシュートを放ちます。ここでも複数の筋腱複合体が関わっているのです」。こうした筋や腱の動きを計測して仔細に解析していくことで、効果的なトレーニング方法や効果的なスポーツシューズの開発につなげていく。
妊娠するとリラクシンというホルモンが全身を循環して、体が柔らかくなるといわれているが、具体的にどれほど柔軟になるのか。妊婦さんに協力を仰ぎ超音波を使って筋肉や腱の動きを調べていく。それだけにとどまらない。高齢社会を迎えて日常生活に支障をきたすお年寄りが急増しているが「筋腱複合体を解析することによって、日常生活、例えば歩行をスムーズに行うためにはどの筋肉を鍛えればよいのかがわかります。つまりリハビリにも貢献できるのです」
私たち人間は20歳頃まで骨格筋や腱も成長していくが「その過程で筋腱複合体がどのように変化していくのか――。また、ケガとどう関わってくるのかがわかれば、練習中・運動中の傷害予防にもつながる分野なのです」と川上教授。バイオメカニクスはまだ歴史が浅く、「これから若い人たちが創っていく可能性に富んだ分野。フロンティア精神あふれる高校生を待っています」と呼びかける。




